【CD】GROUND ZERO / Plays Standards [Import]

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日本が世界に誇る前衛音楽家、大友良英のプロジェクトの一つグラウンド・ゼロ。超絶的なバンド演奏とサンプリングを高次元で融合させたその音楽は、前衛音楽ファンに圧倒的な衝撃を与えた。グラウンド・ゼロは惜しまれつつも1997年に融解（解散）したが、残されたどの作品も聞いて損の無い印象的なものばかりである。

そんなグラウンド・ゼロの作品の中で、スタンダード・ナンバーだけで構成された本作は、かなり特異な位置を占める。スタンダードといっても、大友が持ち出してきたのはジャズの有名曲ではなく、彼が若かりし頃聞いて感銘を覚えたテレビ番組の曲であったり、フリージャズの曲だったりする。もちろんここで興味が湧くのは、フリージャズ以外の曲を大友が如何に料理しているかだろう。

例えば１曲目の、チリのフォーク・シンガー、ヴィクトル・ハラの代表曲「平和に生きる権利」は、植村の人間離れしたドラムが暴れ、菊池のサックスが唸り、果てや田中の義太夫節が炸裂する、非常にハードで思わず失笑が漏れる妙ちきりんなアレンジになっている。感じ的には、ジョン・ゾーンの「ネイキッド・シティ」に近い。続いて２曲目「ウルトラＱのテーマ」は、サイン波が延々と飛び交う電波チックなアレンジ。他の曲も大友独自の解釈で演奏されており、興味深く聞くことができる。

1. El derecho de vivir en paz + Shinoshin 3/4
2. Ultra Q
3. Those were the days
4. Folhas Secas
5. Washington post march + Japan Dissolution
6. Akashia no ame ga yamu toki
7. Bones
8. Where is the police? + The bath of suprise
9. Miagetegoran, yoru no hoshi wo
10. Yum no hansyu
11. Die papple vom karlsplatz
12. A better tomorrow + I say a little pray (Roland Kirk version)